飲み会の後の朝の話
自分で剥がしかけた布団にくるまり、縮こまる。
急激にやってきた冬に文句を言いたい。
お前のせいで、布団から出れないって。
まぁ言わないけど。
カーテンの隙間から見える空は分厚い雲で覆われている。
雨は降らないでほしいな。
とかなんとか思いながら、ふと昨日の会話を思い出す。
昨日は忘年会という名の、飲み会だった。
ご飯はおいしかった、お酒も飲めた。また、飲み行きたい。
でもまぁ、ちょっと。いやかなり喋りすぎた。
相手は聞き上手だからって、いらない話までしてしまう。相手のせいにするのは違うけどさ。
「いや、そのまんまの自分だと面白くないんでレッテルというか、ちょっとした特徴が欲しくってそれもあって『酒好き』って言ってたんですよ。好きなんですけど……その、すっごい好きってわけでもなくて」
とか、なんでその話になんだよってことも話しちまった。
思い出せば出すほどに、申し訳ない気持ちになってくる。
「酒好きってイメージなかったけどな。酒よく飲むようになったの会社辞めてからのイメージだし」
って言ってた気がする。
あの時はなんか「家に引きこもってるとズレるなぁ」とかそんなこと返したけど。
なんだろうな。
ベッドから起き上がって、ぐしゃぐしゃになった髪を手で溶かす。
髪の毛が指の間に挟まって、ため息が出た。
ゴミ箱に丸めてポイして、もういっかいベッドの上にあぐらをかいた。
……レッテル、なーんもゲットできてなかった。らしい。
ってなると、今まで必死に集めていた『意外と丸々』系は全滅なわけだ。
大きくあくびをして、目を擦って、肩を鳴らす。
でも、飲みには誘ってくれたのか。
スマホを開いて、チャットを開いた。
昨日は喋りすぎてすみません、また次
そう打ちかけて、メッセージを削除してベッドに放り投げる。
枕に顔を沈めて、布団を深く被った。
タイトル「レッテル未獲得」