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火に入るなら、熱いことを理解なさい

熱い、身体が燃えている。
 肌が溶けて、焦げて、肺まで熱に溶かされている。
 慌てて自分の部屋から、肌は元通りだった。
 部屋の中にあるのは、ただのディスプレイの光だ。

 でも、確かに苦しかった。
 そうだから、あの炎は確かにあったはずだ。

 確かめるべく部屋に入ると、熱いどころか窓から伝わる冷気が肌を刺した。
 身体が震え思わず二の腕をさする。
 椅子に座ると、ギィと嫌な音が鳴る。
 買い換えよう、買い換えようと何度行っただろうか。
 足を組んで、ただしたとは無縁の大勢で画面を覗き込む。

 画面の奥には何もない。
 あるのはただの活字で、光の集合体だ。
 彩豊かなアイコンに、うんざりするほどチープな広告。
 ただ、惰性を貪りたいだけだったはずなのに。
 何かが、引っかかってしまったのだろう。
 部屋の空気が熱を冷ます暇もなく、炎に手を伸ばしたのだろう。
 光に集まる虫のように、飛んで火にいる何とやら。
 使い方は当然異なるが、俯瞰して見れば滑稽なものだ。

 僕は虫ではないはずなのに、虫と同じくらいしか脳がなかったらしい。
 非常に残念だ。
 知ってはいたけど。

 そうやってまた、活字に時間を溶かしていった。