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エンディング!

―
こうして、世界に平和が訪れた。
しかし、魔王サ・イキョーが倒されたことにより
各地で燻っていた悪が世界征服へと動き出した。
勇者らがその事実を知ることになるのは
まだ少し先の話なのである

―

エンドロールが流れてきた。
おなじみの黒い背景に白のドット文字だ。
キャストロールに移行すれば
製作者 ハジメ
と、ハジメだらけになっていたので途中でスキップした。

「終わっちゃいましたね」
「だな……。これで、安心して定時出社……かぁ」

 俺は鮮やかすぎる大地を見た。
 適当すぎる木々が邪魔していて、エンディングで見れるような水平線は一切見えない。

「どうでした? 異世界は」
「異世界ってより出来の悪いゲームって感じだったけど、バグないしまぁ」

 俺はユリをみた。
 彼女は少し不安そうにこちらを見てきた。

「たのしかった」

 ユリは満面の笑みを浮かべる。
 俺もつられて、笑顔になった。
 たまにはヘンテコな夢も、いいかもしれない。

「宿屋で回復でもして終わるか」

 ノンタイムでスムーズに街へと移動する。目の前にモブキャラの赤い髪が迫ってきて怖かった。
 進行方向に突っ立ってるとつっかえるアレが、目の前で再現されたようだ。

 最後くらい良さげに終わってくれよ。

 宿屋に入り、床に就く。目が覚めればまた仕事が待っているが、そんなのは人類の大半が同じだ。生きるためだしな。
 目を閉じ、ゆっくりと呼吸をする。
 
 ……でも、やだなぁ。朝なんか、現実なんか——。

 小鳥の鳴き声で目がさめる。
 シンプルすぎる天井は馴染みのないものだ。
 窓から差し込む光は眩しく、二度寝を許さない。
 起き上がり欠伸をして、目をこすりながら、ノールックで目覚まし時計を探す。

 見当たらない。落としたか?
 
 視界がゆっくりと輪郭を持ち始める。
 不自然にまでかくかくとしたクロゼットと、何に使うか分からない謎の宝箱。
 一気に意識が覚醒し、俺はベッドから転げ落ちた。

 「ハジメくん! おはようございます!」